トップM&Aマガジン一覧ニュース・コラムIPOとM&Aの違いとは?意味やメリット・デメリットを比較

IPOとM&Aの違いとは?意味やメリット・デメリットを比較

投稿日:2025年03月21日
IPOとM&Aの違いとは?意味やメリット・デメリットを比較

IPOやM&Aは、会社を成長させたり、イグジット戦略を採ったりする際に用いられます。両者の主な違いは、経営権の有無や資金調達先、手続きの流れなどです。
イグジット戦略としてどちらを採用するか迷った場合は、会社の方向性などから判断するとよいでしょう。このコラムでは、IPOとM&Aの違いを理解できるように、メリットとデメリットを比較します。

目次

IPO・M&Aとは

IPOやM&Aは、会社を成長させたり、イグジットを実現したりするために用いられる手法です。ここから、それぞれの意味について詳しく解説します。

IPOの意味

IPO(Initial Public Offering)とは、「新規公開株式」「新規上場株式」「新規公開株」などを意味する言葉です。具体的には、自社の株式を株式市場(証券取引所)で公開して資金を調達することを指します。
非上場会社が上場して新たに株式を発行することにより、今までより多くの人たちから資金調達できる点がIPOの特徴です。

M&Aの意味

M&A(Mergers and Acquisitions)とは、「合併と買収」を意味する言葉です。具体的には、資本の移動を伴う合併や買収を通じて組織再編することを指します。
M&Aとして用いられるスキームは、以下のとおりです。

  • 合併(吸収合併・新設合併)
  • 分割(吸収分割・新設分割)
  • 株式譲渡
  • 第三者割当増資
  • 株式交換
  • 株式移転
  • 事業譲渡

また、上記以外に広義のM&Aとして合弁会社の設立や株式の持ち合いを含める場合もあります。
M&Aの特徴は、スキームによってさまざまです。たとえば、株式譲渡は現金などと引き換えに株式を譲渡して経営権を譲り渡すのに対し、事業譲渡では事業を譲渡する対価として現金などを受け取ります。

IPOとM&Aの主な違い

IPOとM&Aの主な違いは、以下のとおりです。

  • 経営権の有無
  • 資金調達先
  • 従業員・取引先への影響
  • 手続きの流れ・期間

それぞれ詳しく解説します。

経営権の有無

実施した後に経営陣が引き続き経営を担うか、経営権を引き渡すかが違いのひとつとしてあげられます。
IPOの場合、株式を公開して資金調達してからも、現経営者が経営することが一般的です。株式発行に伴い持株比率に変動があったとしても、現経営者が一定の株式を保有していれば経営権を維持できる可能性があります。
一方、M&Aの場合はスキームによって経営権を渡すことがある点が特徴です。たとえば、M&Aを株式譲渡で実施する場合は、売り手の株主が対価と引き換えに多くの株式を譲渡するため、経営権が買い手に移ります。

資金調達先

資金調達先も、IPOとM&Aの違いです。
IPOは市場で株式を発行する手法のため、不特定多数の投資家から資金を調達できます。それに対して、M&Aでは資金調達先が基本的に買い手からに限定される点がポイントです。
関連して、M&Aは実施にあたって契約する際に売却する株式の評価額が決まるのに対し、IPOは実施後も株価が上昇する可能性がある点も異なります。株式を一定数保有する経営者は、IPO実施後に株価が上昇した際に、株式を売却して多額の資金を得られることがあるでしょう。

従業員・取引先への影響

従業員や取引先への影響をIPOとM&Aの違いとしてあげることもあります。
IPOを実施して上場会社になると信用されやすい傾向にあるため、従業員のモチベーションが上がったり、取引先からの印象が良くなったりする可能性が高いです。たとえば、金融機関によっては、住宅ローンを申し込む際に勤め先が上場会社だと返済能力が高いと判断されることがあります。
一方、M&Aの場合は買い手のイメージ次第で従業員・取引先に好印象を与えることも、悪い印象を与えることもあるでしょう。

手続きの流れ・期間

手続きの流れやかかる期間も、IPOとM&Aの違いです。
IPOは、経営体制の整備や証券取引所の審査などにあたって、さまざまな手続きを踏まなければなりません。そのため、決断してから実施するまでに数年の期間がかかるでしょう。
M&Aも書類の準備や相手との交渉、契約などさまざまな手順が必要ですが、相手が見つかり交渉がスムーズに進めば6ヶ月〜1年で実施できることがあります。

IPOとM&Aのメリットを比較

ここで、IPOとM&Aのメリットをそれぞれ解説します。

IPOのメリット

株式を発行して多額の資金を調達できる点が、IPOを実施するメリットです。また、経営の自由度が低下する可能性はありますが、一定の株式を保有している限り現経営陣が経営を続けられます。
さらに、IPOに伴い上場会社になることで、イメージアップにつながる点もメリットです。今までより銀行から資金を調達しやすくなったり、求人で人材を見つけやすくなったりする可能性があります。

M&Aのメリット

相手との交渉がスムーズに進めば、早い段階で売却資金を得られる点がM&Aを実施するメリットです。後継者不在のオーナー経営者が株式譲渡の手法でM&Aを実施することで、多額の資金を得てリタイアできることもあります。
また、IPOと比べると小規模な企業でも実施できる可能性がある点もメリットです。たとえば、東京証券取引所のスタンダード市場に上場する場合、「最近1年間における利益の額が1億円以上であること」などの要件を満たさなければなりません。それに対し、M&Aは利益などが小さな会社でも相手さえ見つかれば実施できます。

参考: 日本取引所グループ「上場審査基準概要(スタンダード市場)」

IPOとM&Aのデメリットを比較

ここから、IPOとM&Aのデメリットを比較しましょう。

IPOのデメリット

IPOのデメリットは、手続きに数年の期間を要する点です。期間が経過するにつれて経営環境などが変化して、IPOを決断したことを後悔することもあるでしょう。
また、IPOにはコストがかかります。たとえば、東京証券取引所のスタンダード市場に上場する場合、上場審査料300万円、新規上場料800万円などを用意しなければなりません。ほかにも、手続きをスムーズに進めるために監査法人やコンサルティング会社へ支払う報酬も発生します。

参考: 日本取引所グループ「上場料金 新規上場に係る料金」

M&Aのデメリット

M&Aにより経営権が移り、組織の構成・社風・人事評価などが大きく変わると、従業員のモチベーションが低下する可能性がある点がデメリットです。M&Aを実施する際には、従業員の処遇を踏まえて交渉したり、従業員のケアをしたりしなければなりません。
M&Aで経営権を手放すと、たとえ自分が立ち上げた会社でも今後経営に携われなくなることもデメリットです。ただし、相手との交渉次第でM&A実施後も経営者として活躍できる場合もあります。

【IPO・M&A】イグジット戦略を判断する方法

IPOやM&Aはイグジット(EXIT)戦略の一環として用いられることもあります。イグジット戦略とは、スタートアップやベンチャー企業の創業者が、事業の価値を最大化してから売却し、現金を手に入れることを目指す戦略のことです。
イグジット戦略として、IPOとM&Aどちらを採用するべきかは断言できません。そこで、以下の点から、どちらを用いるか判断するとよいでしょう。

  • 会社の方向性から判断する
  • 資金調達から判断する
  • 経営権から判断する

それぞれ解説します。

会社の方向性から判断する

会社の知名度を上げる、短期間でイグジットを目指すなどの会社の方向性が、判断基準のひとつになりえます。
たとえば、会社の知名度を上げて長期的な成長を目指してから株式を売却するのであれば、IPOを検討するとよいでしょう。また、すぐにイグジットを目指すのであれば、保有する株式を売却して現金を手に入れられる株式譲渡などのM&Aが選択肢に入ります。

資金調達から判断する

資金調達の必要性から、IPOにするかM&Aにするか判断する方法もあります。
まずは時間がかかってでも多額の資金を集めたいのであれば、不特定多数の投資家から資金調達できるIPOを検討するとよいでしょう。一方、ノウハウや人材を手に入れたりシナジー効果を発揮したりして会社を成長させたいのであれば、M&Aが効果的です。

経営権から判断する

現段階で経営権をどのようにするつもりなのかによって、判断することもひとつの方法としてあげられます。
後継者不在などの事情を考慮し、従業員の雇用を維持しつつ、今リタイアしたいのであれば、M&Aが有効です。一方、しばらくは経営権を維持して会社を成長させたいのであれば、IPOを検討しましょう。
なお、会社を取り巻く状況や、どのM&Aスキームを用いるかによっても効果が異なります。そのため、「自社にはIPOとM&Aどちらの手法が適しているのか」「M&Aを実施する場合はどのスキームを用いるべきなのか」などがわからない場合は、M&A仲介などの専門家に相談することも大切です。

まとめ

IPOとM&Aの違いは、経営権の有無や資金調達先、従業員・取引先への影響などです。
また、IPOのメリットとして不特定多数の投資家から資金調達できる点があげられるのに対し、M&Aには交渉次第でスムーズに資金を獲得できるメリットがあります。一方、IPOは手続きに期間がかかる点、M&Aは今後現経営者が経営に携われなくなる可能性がある点がデメリットです。
IPOとM&Aどちらを採用すべきか、M&Aのどのスキームを用いるべきか判断がつかない場合は、M&A仲介などの専門家に相談するとよいでしょう。
「スムーズにM&Aを成功させたい」「事業承継で悩みがある」などとお考えの売り手企業様は、M&Aで豊富な知見とノウハウを有し、圧倒的なスピード対応を誇る「虎ノ門キャピタル株式会社」にご相談ください。
虎ノ門キャピタル株式会社では、M&Aアドバイザー、会計士や税理士など業界のスペシャリストが、M&Aや事業承継を徹底的にサポートします。M&Aの一歩をこれまでなかなか踏み出せなかった方は、まず「無料相談」でM&Aや事業承継に関するお悩みを相談してみてはいかがでしょうか。

関連記事

人気の記事

投稿日:2024年08月23日更新日:2024年12月12日

地位承継とは?意味や継承との違い、使い分けなどを解説

  • #ニュース・コラム
  • #スキーム

  • #ニュース・コラム
  • #スキーム

投稿日:2024年01月31日更新日:2024年12月12日

株式譲渡とは? 非上場企業における手続きや株式譲渡制限について解説

  • #ニュース・コラム
  • #M&Aの基礎知識

  • #ニュース・コラム
  • #M&Aの基礎知識

投稿日:2024年06月03日更新日:2024年12月12日

M&Aのディールとは?一連のプロセスと成功につながる4つの秘訣

  • #ニュース・コラム
  • #M&Aの流れ

  • #ニュース・コラム
  • #M&Aの流れ

#カテゴリ・タグ一覧